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在韓米軍「台湾有事投入説」の衝撃

対中「最前線化」に怯える韓国

2025年5月号

 在韓米軍を巡り、韓国内が騒然としている。きっかけは3月29日の米紙ワシントン・ポストの報道だった。同紙は、米国防総省が「臨時国家防衛戦略指針」をまとめたと説明。指針は「中国の台湾侵攻阻止」と「米本土の防衛強化」を最重視し、ロシアやイラン、北朝鮮などの脅威については同盟国に役割の強化や国防費の負担を求めるとしている。
 韓国国防部はこの報道について、在韓米軍の規模や役割が変化する兆候は見られないとする趣旨の説明を行ったが、韓国メディアは一斉に「在韓米軍の撤退や縮小、転用を示唆している」と報道した。さらにエイブラムス元在韓米軍司令官が4月5日から18日まで台湾が行った指揮所演習「漢光41号訓練」に参加していたことが報じられ、「在韓米軍の台湾有事投入説」がにわかに脚光を浴びた。
 さらに朝日新聞が4月15日、中谷元・防衛相が3月末に訪日したヘグセス米国防長官に、中国への対抗を念頭に置き、東シナ海や南シナ海、朝鮮半島を中心とした地域を一体の「戦域」としてとらえ、日米が同志国とともに防衛協力を強化する「ワンシアター(一つの戦域)」構想を伝えていたと報じると、韓国メディアの興・・・

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