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米国がイエメン内戦に「本腰」

イラン核交渉の裏テーマ「紅海」

2025年5月号

 トランプ大統領は就任後、初めて、イランに対して新たな交渉の扉を開いた。オマーンとローマで、イランとの2度の会合を実施した。表向きはイランの核開発抑止だが、水面下では別の交渉が着々と進められているようだ。
 イラン政府は、自ら核合意を離脱したトランプ大統領との交渉に難色を示していたが、内心は体制存続を懸け、米国との交渉を喉から手が出るほど求めていた。イラン政府関係者は、「米国との交渉成功は、体制存続が懸かっている」と吐露する。
 4月12日、米国とイラン間で核開発をめぐる交渉が開始されたが、続く2回目の交渉は、わずか7日後、4月19日に設定された。異例のスピードだ。
 しかし、その前の4月17日、米軍はイエメン西部ホデイダ県、フーシ派の支配地域に対して空爆を実施。標的は港湾・空港施設、特にイエメン最大の石油輸出拠点であるラスイッサ港を中心に、精密な空爆が立て続けに加えられた。
 この一連の攻撃は、核交渉においてイランの譲歩を引き出すための間接的圧力と受け止められた。だが、湾岸諸国の政府関係者たちは、それだけでは説明がつかないと指摘する。「米国のフ・・・

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