中国やロシアは独裁国家であり、両者間でもお互いに競い合っている。一方で両国ともに米国や日本を敵視し、私たちの国の体制を「悪」だと認識して対抗してくる。
　特に中国のスパイ工作能力はロシアやイランよりも高く、規模が大きい。中国は、我々の知的財産を盗み、マーケティング手法を盗み、知識を盗む。
　米国や同盟国の力の基盤は軍事力だけではなく経済力が重要だ。国家の安全保障は経済力によって支えられている。中国やロシアは民主主義国家の重心が経済力にあることを知っているからこそ、そこをサイバー作戦や人的なスパイ工作で攻撃し、盗みを働く。また偽情報・誤情報で撹乱させ経済力を弱体化させようと画策するのだ。
　20世紀の中国は諜報活動に慎重で、非常に用心深かった。ＣＩＡも当時から対中国のスパイ活動は行っていたが、それほど積極的ではなかった。ところが、２００１年に同時多発テロが米国で起こって以降、中国は積極的に工作を仕掛けるように急変した。
　現在の習近平国家主席の目標は、台湾を統合し、西太平洋地域において、米国に代わる大国になることだ。それを実現する手段・・・