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政治

自民党保守派で広がる「分断」

「高市待望論」が起こり得ぬ理由

2025年6月号

 あの男の欠席が、「ポスト石破」をうかがう自民党の「保守勢力」に大きな波紋を広げた。
 自民党は5月14日、党政務調査会直属の「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)戦略本部」の会合を党本部で開き、本部長を務める党最高顧問・麻生太郎ら57人が参集した。
 FOIP戦略本部は、 前経済安全保障担当大臣・高市早苗が党政調会長時代に設置したものだが、元首相・安倍晋三の銃撃事件以降休眠状態だった。
 その再起動を麻生に直談判したのが、戦略本部長代理を務める高市である。
 中国の台頭を念頭に生前、安倍が主唱した「FOIP戦略」を日本外交の柱に据え、発展させようというのが、戦略本部再開の大義名分だが、それは表向きの話。
 戦略本部の幹部名簿には、石破体制で冷や飯を食わされている前幹事長・茂木敏充(本部顧問)、元政調会長・萩生田光一(同副本部長)、元経済産業大臣・西村康稔(同)ら非主流派の面々がずらりと並んだ。
 派閥パーティー券裏金問題で、離党勧告など厳しい処分を受けた旧安倍派5人衆のうち、さきの衆院選で生き残った萩生田、西村の2人が揃っ・・・

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