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政治

「玉木総理」の夢はうたかた

担ぐ者なき「ポピュリスト」の蹉跌

2025年9月号

 国民民主党は2020年9月に新たに結党して以来、5年の歳月を経て、過去最大の議席数を誇るようになった。結党時は衆院議員、参院議員合わせて計13人に過ぎなかった。24年衆院選で改選議席から4倍、今年7月の参院選でも改選議席から4倍超の議席を獲得し、今や衆院で27人、参院で22人の計49人となった。ただ膨らむ勢力とは裏腹に、どこに向かおうとしているのか、道筋が見えず袋小路に陥っている。
「大阪のテレビで、リモートでしたけど、橋下徹(元大阪市長)さん、吉村洋文(大阪府)知事ともやりとりしましたけど、私の感覚からすると、もう連立まっしぐらって感じがしますよね」。8月19日の記者会見で国民民主党の玉木雄一郎代表は、大阪を念頭に首都機能の一部を移す「副首都」を実現する構想などを受け入れるのであれば、自民、公明両党の連立政権への参画もあり得るとする日本維新の会を当てこすった。同時に「自民、公明、維新で連立ということになって、他の野党の意見が全く通らなくなると、それはそれでまた民意の反発を受ける形になる」と述べた。
 いみじくもこの発言に玉木の焦りが凝縮されている。参院選直後は、・・・

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