トヨタを襲う「下請け崩壊」
好業績の裏で進む「倒産ラッシュ」
2025年9月号
トランプ関税の逆風を受けながらも好業績を続けるトヨタ自動車。この関税の影響で1・4兆円の減益要因になるものの、今年度に見込む営業利益は3兆円を軽く超える。稼ぐ力は相変わらずだ。だが、この高収益を果たしてトヨタはいつまで発揮できるのか。というのも今、クルマづくりを支えるサプライヤー、中でもティア2以下の弱体化が深刻だからだ。「経営体力に、赤信号が灯っていると見るべき日本のサプライヤーが珍しくない」との声が自動車アナリストから上がっている。
事実、サプライヤーの業績低迷は目を覆うほどだ。昨年のサプライヤー全体の平均営業利益率は1・4%(帝国データバンク調べ、以下同)。製造業全体の1・8%を下回っている。このうちティア2とティア3を見ると、それぞれ1・3%、0・6%しかない。まさに限界ギリギリの経営状態だ。想定外の何かが起これば、容易に赤字転落してしまう。同年度にトヨタは5兆円に迫る営業利益と約10%の営業利益率を叩き出している。今のトヨタとサプライヤーの関係は格差の象徴と捉えられても仕方がないだろう。
実は、2018年時点ではサプライヤー全体の平均営業利益率は3・・・・
事実、サプライヤーの業績低迷は目を覆うほどだ。昨年のサプライヤー全体の平均営業利益率は1・4%(帝国データバンク調べ、以下同)。製造業全体の1・8%を下回っている。このうちティア2とティア3を見ると、それぞれ1・3%、0・6%しかない。まさに限界ギリギリの経営状態だ。想定外の何かが起これば、容易に赤字転落してしまう。同年度にトヨタは5兆円に迫る営業利益と約10%の営業利益率を叩き出している。今のトヨタとサプライヤーの関係は格差の象徴と捉えられても仕方がないだろう。
実は、2018年時点ではサプライヤー全体の平均営業利益率は3・・・・