フランス「極右大統領」の現実味
マクロン政権「自壊」の重い代償
2025年10月号
2027年フランス大統領選への号砲が早くも鳴った。フランスの長い夏休み明け早々、国民議会(下院)の不信任によりフランソワ・バイル首相(74)の内閣が崩壊。極右・国民連合(RN)のマリーヌ・ルペン前党首(57)が支持者を前に「マクロン政権は末期症状を呈している。政権交代はあすに迫った」と気炎を吐いた。
この集会は本来、大統領選前の来年3月に予定されている地方議会選に向けた結束を確認する場になるはずだった。だがその数日前、RNを含む野党の不信任によりバイル首相の内閣が総辞職を表明。エマニュエル・マクロン大統領(47)はすぐに自身の側近セバスチャン・ルコルニュ国防相(39)を後継の首相に任命した。下院で議席数最多のRNは、ルペン氏でも妥協できるような右派系の登用を期待した。ところがマクロン大統領の「身内」の任名でそれが打ち砕かれたため、対決姿勢をむき出しにした格好だ。
ルペン氏にしてみれば、無理もない。昨年のパリ・オリンピック直前にマクロン氏は突然、下院を解散し、総選挙に打って出た。その結果、与党連合は過半数を失い第3勢力に後退し、RNと左派連合とで議席を3分する宙・・・
この集会は本来、大統領選前の来年3月に予定されている地方議会選に向けた結束を確認する場になるはずだった。だがその数日前、RNを含む野党の不信任によりバイル首相の内閣が総辞職を表明。エマニュエル・マクロン大統領(47)はすぐに自身の側近セバスチャン・ルコルニュ国防相(39)を後継の首相に任命した。下院で議席数最多のRNは、ルペン氏でも妥協できるような右派系の登用を期待した。ところがマクロン大統領の「身内」の任名でそれが打ち砕かれたため、対決姿勢をむき出しにした格好だ。
ルペン氏にしてみれば、無理もない。昨年のパリ・オリンピック直前にマクロン氏は突然、下院を解散し、総選挙に打って出た。その結果、与党連合は過半数を失い第3勢力に後退し、RNと左派連合とで議席を3分する宙・・・