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北朝鮮「ドローン戦力」が急伸長

日本にとっての新たな脅威

2025年11月号

 北朝鮮が10月10日、今年の最大行事と位置付けた朝鮮労働党創建80年を記念した軍事パレードを行った。世間の注目は超大型の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星20」に注がれたが、自衛隊や韓国軍関係者らの眉をひそめさせたのは、4台のトラックだった。
 トラックの荷台には、黒い長方形のコンテナが斜めに傾けて据え付けられていた。金正恩総書記らが見つめる主席壇から見えるようにコンテナの扉は開いており、上下2段計6区画に仕切られたスペースに小型無人機(ドローン)が入っていた。
「これはスパイダーウェブ作戦(Operation Spiderweb)を参考にした新たな発射装置だ」と、関係者の1人は語る。ウクライナは今年6月、国境から遠く離れたロシアの空軍基地4カ所を多数のドローンで攻撃し、40機以上の航空機を破壊した。コンテナに収納されたドローンはあらかじめ、トレーラーでロシアの奥深くまで輸送されていた。
 ドローンには自爆型も含め、敵を攻撃するための短距離型(射程数十㎞)、情報を収集するとともに攻撃もできる中距離型(同数百㎞)、主に情報収集に使う長距離型(同数千㎞・・・

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