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経済

自動車産業 「日中逆転」の現実

中国製EVに頼るトヨタとマツダ

2026年2月号

 かつて、日本は中国に「車の作り方」を教えた。しかし今、日本は中国に「生き残るための知恵」を乞うている。
 2025年3月、トヨタ自動車が中国市場に投入した新型EV「bZ3Ⅹ」の予約受け付け開始直後、アクセス集中により予約サイトは一時的に機能停止に追い込まれた。開始から1時間で1万件を超えた。だが、このbZ3Ⅹは「トヨタであって、トヨタではない」。
 その中身を分解すると、車両の骨格は広州汽車(GAC)が展開するEVブランド「Aion」のSUV、AionVそのものだ。EV専用プラットフォーム「AEP3・0」、高電圧系の構成、電子制御アーキテクチャはGAC側の設計思想に基づく。
 トヨタが担ったのは、外観デザインの再構築と、挙動・品質に関わる最終調整だ。
 中国車にありがちな急加速・急減速を抑え、ステアリング応答を穏やかにし、ブレーキ制御に余白を持たせる。ユーザーが「クルマに急かされている」と感じない挙動をつくることが、トヨタ側の明確な役割だった。自動運転・運転支援についても同様である。
 bZ3Ⅹに搭載されるNOA(ナビ連動型運転支援)・・・

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