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連載

現代史の言霊  第95話

3月の蛮行- バーミヤン仏像の破壊(2001年)
伊熊幹雄

2026年3月号

 偶像を粉々にしたことを誇るべきだ
ムハンマド・オマル (タリバン最高指導者)
 
  世界で最も悪名高いテロ組織「アルカーイダ」の創設者、ウサマ・ビンラーディンが最初にアフガニスタンを訪れたのは、1979年とされている。
 この年の12月24日から25日にかけて、ソ連軍がアフガニスタンに軍事侵攻し、ハフィーズッラー・アミーン革命評議会議長を殺害した。そしてソ連は、バブラク・カールマルを新たなトップとする傀儡政権を樹立した。
 イスラム教の国を「不信心者の共産主義国家」であるソ連が占領したことは、世界中のイスラム教徒を憤慨させた。若者たちはアフガニスタンに渡航して、共産主義者に対する「聖戦の戦士」としてソ連軍と戦った。その一人がビンラーディンだった。当時22歳のことである。

国際社会へのゆがんだ恨み

 サウジアラビアの巨大コンツェルンの御曹司だったビンラーディンは、その富ゆえにアフガニス・・・

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