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経済

トヨタ社長「突然交代」の内幕

章男と豊田家の身勝手な事情

2026年3月号

 結論を言えば、「豊田章男会長によるわがまま人事」(トヨタ関係者)の結果である。執行役員で最高財務責任者(CFO)の近健太氏がトヨタ自動車の新社長に就任する件だ。世間の関心は、なぜ佐藤恒治氏がこんなにも早く社長の座を譲るのかに集中していた。社長になってまだ3年しか経っていないからだ。
 足元の業績は好調である。トランプ関税の逆風の中、今期の売上高は50兆円、営業利益は3兆8千億円を見込む。佐藤氏の社長としての成績にはケチを付けようがない。ところが、副会長へ昇格するとはいうものの、取締役からは外れる。「どう見ても社長更迭」(トヨタに詳しい経営コンサルタント)だ。
 会見では社長交代の理由として、佐藤氏が日本自動車工業会会長と経団連副会長に就任し、トヨタの経営に全力を注げなくなるからという説明が強調された。だが、こんな表向きの言い訳を真に受ける人間は社内にはいない。なぜなら、2018年から23年までの5年間、豊田会長は代表取締役社長のまま自工会会長を務めていたからだ。

認証不正で関係に亀裂

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