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欧州を蝕むロシア「スパイ工作」

英国戦慄「政界汚職」の実態

2026年4月号

 英国で昨秋持ち上がったこの汚職事件は、政界の水面下でうごめくロシアの謀略の一端をさらけ出した。それは、民主主義体制を内側から崩そうとする数々の試みの、氷山の一角に過ぎないのかもしれない。
 2025年11月、英国のポピュリスト政党「リフォームUK」でウェールズ支部長を務めた政治家ネイサン・ギルが、ロンドンの中央刑事裁判所で禁錮10年半の有罪判決を受けた。まだ英国が欧州連合(EU)を離脱する前の欧州議会議員時代、賄賂を受け取ってロシアに有利な発言をしていたとして、収賄の罪に問われたのだ。主に19年、彼は1回あたり約5千㍀(約100万円)の報酬で、ウクライナの親ロ派テレビ局「112ウクライナ」(21年に放送禁止処分)のインタビューに応じたり、欧州議会でこのテレビ局を持ち上げる発言をしたりした。同僚議員に出演を促したほか、欧州議会の所在地、仏ストラスブールで開催された親ロ派イベントにも協力。少なくとも8回、計4万㍀以上を受け取ったという。
 判決を受けて、ジャーヴィス英安保担当閣外相は「国家と国民と国家安全保障に対する裏切りだ」との声明を出した。
 英国は、欧・・・

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