テイレシアスの食卓 vol.37
下町に咲いた「たんぽぽ」
河井 健司
2026年4月号
3月上旬、ある朝のこと。重たいまぶたをこすりつつ自店舗へ向かう道すがら、ほころびはじめた桜のつぼみを目にして、はっとする。なにかと不穏な世の中で、たしかに春は巡ってきた。風の匂いも季節の移ろいを知らせてくれる。この時期、学生や社会人を問わず、新たな環境に身を置く人たちも多いだろう。かつての筆者もまた、そのうちのひとりだった。
大阪の調理師専門学校に通うため、高知を後にしたのは34年前。この専門学校に入学を決めた理由のひとつが、アルバイト進学という制度が設けられていたため。その内容は、学校と店舗、そして学生が契約を結び、住み込みで働きながら通学する、というもの。住居が保証されていることから、アルバイト代を貯金して学費をまかなうことも十分に可能で、当時の筆者には、じつにありがたい制度だった。現に在学中、いただいた給料から分割払いで学費を支払った覚えがある。ただし契約上、学校から斡旋されたアルバイト先を自己都合で辞めた場合は即刻退学処分となる、きつい縛りが定められていた。
この制度を利用するにあたり、提示された一覧表から、アルバイト先を第6志望まで選ぶことができた。・・・
大阪の調理師専門学校に通うため、高知を後にしたのは34年前。この専門学校に入学を決めた理由のひとつが、アルバイト進学という制度が設けられていたため。その内容は、学校と店舗、そして学生が契約を結び、住み込みで働きながら通学する、というもの。住居が保証されていることから、アルバイト代を貯金して学費をまかなうことも十分に可能で、当時の筆者には、じつにありがたい制度だった。現に在学中、いただいた給料から分割払いで学費を支払った覚えがある。ただし契約上、学校から斡旋されたアルバイト先を自己都合で辞めた場合は即刻退学処分となる、きつい縛りが定められていた。
この制度を利用するにあたり、提示された一覧表から、アルバイト先を第6志望まで選ぶことができた。・・・









