日本車が中国に「完敗」する日
トヨタがBYDに負けた「技術力」
2025年8月号
日本の自動車業界でまさかの事態が起きている。「お家芸」だったはずのガソリンエンジン(以下、エンジン)の開発で、日本メーカーが中国メーカーの猛追を許しているのだ。技術力で日本メーカーに肉迫しつつあり、一部ではトヨタ自動車やホンダを超える性能を見せている。自動車業界に詳しいアナリストは「驚異的な追い上げだ。このまま手をこまぬいていると、EV(電気自動車)と同じようにエンジン車でも日本勢は中国勢の後塵を拝しかねない」と警鐘を鳴らす。
これまで日本メーカーは「中国メーカーはエンジン開発で日本メーカーに太刀打ちできない。だから、EVの開発にシフトした」(トヨタの社員)と高をくくってきた。高精度なエンジン部品を開発する知見も製造する技術も中国にはない。そこで、構造がシンプルで簡単に造れる上に、日本が手薄なEVに中国は活路を見いだしたのだと、まことしやかに語ってきた。ところが、その見方は的外れだったことが今、露呈している。
エンジンの性能を決する最も重要な指標に最大熱効率がある。この値が高いほど、燃費や環境性能に優れたエンジンということになる。例えば、トヨタが今年5月に発表・・・
これまで日本メーカーは「中国メーカーはエンジン開発で日本メーカーに太刀打ちできない。だから、EVの開発にシフトした」(トヨタの社員)と高をくくってきた。高精度なエンジン部品を開発する知見も製造する技術も中国にはない。そこで、構造がシンプルで簡単に造れる上に、日本が手薄なEVに中国は活路を見いだしたのだと、まことしやかに語ってきた。ところが、その見方は的外れだったことが今、露呈している。
エンジンの性能を決する最も重要な指標に最大熱効率がある。この値が高いほど、燃費や環境性能に優れたエンジンということになる。例えば、トヨタが今年5月に発表・・・