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経済

《企業研究》本田技研工業

堕ちた名門は二度と輝かない

2026年4月号

 世界最高峰のモータースポーツ・F1の世界に帰ってきたホンダは、開幕戦の地で厳しい現実を突きつけられた。同社は英国の老舗チーム、アストンマーティンにエンジンなどのパワーユニット(PU)を供給する形で復帰したが、3月のオーストラリアグランプリでは、肝心のPUにトラブルが続出。アストンマーティンの1台はリタイアし、もう1台はトップから15周遅れという結果に終わった。続く第2戦中国グランプリでは2台揃ってリタイアしており、早くも暗雲が垂れ込めている。
「F1復帰を決めたホンダの三部敏宏社長を取り巻く現状を象徴するような惨敗だった」
 自動車業界担当の経済部記者はこう語る。折しも、ホンダは今年3月期決算で最大6900億円の赤字に転落する見通しを発表した。直接的な原因が、電気自動車(EV)事業での巨額損失であることは周知の通り。しかし三部社長の下で、ホンダの伝統を支えてきた社内風土が大きく毀損されていることの方が、より深刻だ。損失拡大や魅力的なクルマを生み出せなくなった責任について、三部氏は黙して語らない。

傷口広げた三部の「EV執着」・・・

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