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フランスは「極左政党」も恐ろしい

移民に浸透「大統領選」の混乱要因

2026年5月号

 大統領選を来年迎えるフランスについて、欧州連合(EU)加盟国が何より懸念するのは極右大統領の誕生だ。親ロシアの立場をとる権威主義極右政党「国民連合」の実力者マリーヌ・ルペンないし党首ジョルダン・バルデラが政権を握ると、欧州の結束はどこかに吹き飛び、EUやNATO(北大西洋条約機構)の存立も怪しくなる。二人は仏国内世論調査で圧倒的な支持を集めているだけに、その可能性には現実味がある。
 そのような不安に比べると、パリ郊外のいくつかの街で極左政党「不服従のフランス」が起こした騒ぎに対する注目度は高くない。しかし、こちらも極右の伸長に劣らず、この国の政治の混迷ぶりを象徴する現象だ。

「コミュノタリズム」の危うさ

 3月、フランスで地方選があり、各自治体で一斉に投開票が行われた。通常、選挙で敗れた現職市長は、大勢判明後の夜に市庁舎で最後の演説をする。ところが、パリ郊外のいくつかの街では、新市長の支持者らが乱入し、退出する現職に暴言を浴びせかけたのだ。
 パリ西方のマントラジョリ市で敗北した中道現・・・

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