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ロシア「石油外交」の明と暗

ウクライナさえ停戦すれば……

2026年5月号

 ドナルド・トランプ米政権によるイラン攻撃が原油高という恩恵をロシアにもたらしている。ホルムズ海峡を通じた中東産原油の供給不安が意識され、制裁下にあるロシアとのエネルギー取引を再開する動きがあり、欧州やアジアで対ロ関係の「実利」を重視する傾向が強まりつつある。ロシアは地政学の変化をどう活用するのか。
 4月のハンガリー議会選に敗北した親ロ派首相ビクトル・オルバンが選挙後にX(旧ツイッター)にこんな書き込みをした。“no oil=no money”
 1月のロシア軍の攻撃によりウクライナを通過するパイプラインが破壊され、ハンガリーへの原油供給が停止したことを受け、オルバンは欧州連合(EU)がまとめた900億ユーロのウクライナ支援に拒否権を発動した。ウクライナがパイプラインを復旧し、ハンガリーは拒否権を取り下げたものの、この言葉は実利主義を象徴している。
 16年にわたるオルバン政権下でハンガリーはロシアのウラジーミル・プーチン政権とのエネルギー協力を深化させ、原油の9割前後をロシア産が占める。2021年にはロシア産天然ガスの15年間の・・・

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