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政治

「媚米外交」は日本の為にならず

マルガリータ・エステベス・アベ(シラキュース大学准教授)

2026年5月号

 ―高市早苗首相の「米国べったり」の外交をどう見ますか。

 高市首相は、昨年のトランプ大統領来日時に親しさを演出できたことが、国民に受け入れられたと考え、党内基盤と経済界とのパイプの弱さを補うために、米国との近さをアピールしたいのだろう。いわゆる「台湾有事発言」も、高市首相は米国に歓迎されると考えてしたはずだ。しかし、その時点で米国は中国に仕掛けた貿易闘争に事実上敗れていた。米国としては中国と事を荒立てたくない状況だったが、これに高市首相が気付いていなかったことに私は驚愕した。結果的に米国は事態を静観し、日本を見放した。高市首相の米国への「抱きつき作戦」は失敗し、単純に中国との関係を悪化させて日本経済を追い込んだだけだ。

 ―対米追従路線自体が誤っていたのでしょうか。

 日本の米国への依存は戦後一貫している方針だ。中曽根康弘、小泉純一郎、安倍晋三など、いずれもその路線をとってきた。安倍首相は特にトランプ大統領と良好な関係を構築したことで知られる。しかし本来、米国へ過度に依存することは、「日本を守る強い自民党」の演出とは矛・・・

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