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経済

欧州「日本車工場」が中国の手に

アジア勢「主役交代」の始まり

2026年7月号

 バルセロナ近郊に、かつて日産自動車が動かしていた工場がある。商用車などを生産していたその拠点を2021年に日産が手放すと、その後にいま中国の奇瑞汽車(チェリー)が入ってスペイン企業エブロEVモーターズと組み、車を組み立て始めた。日本メーカーが去った工場に、中国勢が入り込む。同じ動きが、ここ2年で欧州各地に広がった。日本ではまだ「安い中国の電気自動車が来た」程度の認識かもしれないが、現地で進むのは輸出の拡大ではない。日本車や欧州車を生んできた生産能力そのものを、中国勢が引き継ぎ始めている。
 きっかけは関税だ。欧州連合(EU)は24年10月、中国製の電気自動車に5年間の相殺関税を発動した。従来の10%に上乗せされる税率はBYDで17%、上海汽車で35%。合算すれば最大45%前後の壁になる。中国本土でいくら安く作っても、これを被れば価格優位は消える。各社の欧州工場計画は、この関税の前後で一気に具体化した。
 現地生産の狙いは、関税回避だけではない。紅海危機で中国–欧州航路が10〜20日延び、テスラやボルボが部品の遅れで一時減産したように、長い航路への依存は・・・

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