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重要鉱物「脱中国」でEUの煩悶

「コスト・環境・人権」で重い現実

2026年8月号

 中国への依存を減らせば、欧州の重要鉱物の調達は安定する。そう思われがちだ。だが、欧州域内で鉱山を増やせば、水や土地への影響は欧州自身の問題になる。「脱中国」とは、中国に供給を握られる地政学リスクを減らす代わりに、これまで他国に負わせてきた環境破壊や地域対立のツケを、自ら引き受ける選択でもある。綺麗な果実だけを手にする立場を捨て、自分たちの手を汚す覚悟があるのか。欧州は今、その泥臭い現実を突きつけられている。
 欧州連合(EU)が域内生産の切り札とする鉱山計画が、早くも法廷に持ち込まれた。舞台は、ポルトガル北部バローゾだ。域内のリチウム生産を増やすために後押しする鉱山開発を巡り、今年2月、住民団体と環境団体がEU司法裁判所に提訴した。
 バローゾは、国連食糧農業機関(FAO)が世界農業遺産に認定した農牧地域だ。リチウム鉱山では、鉱石の破砕や選別、粉じんの抑制に大量の水を使う。大規模な露天掘りで地下水や河川の流れが変わり、排水が水質に影響する懸念もある。
 住民側は、水が損なわれれば生業が成り立たなくなると訴える。訴訟では、地下水や河川、農業への影響を十分に・・・

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