がん「革新的治療」が使えない日本
厚労省「患者見殺し」政策の重罪
2026年7月号
ゲノム研究の飛躍的な進歩により、世界のがん医療は大きな転換期を迎えている。遺伝子異常に基づく精密医療は、多くの患者に新たな治療の可能性をもたらしている。ところが、厚生労働省は医療費増を理由にして、この治療に後ろ向きだ。国立がん研究センター(国がん)は既得権益の維持という実に低次元な思惑で、新治療を妨害している。わが国のがん患者は見捨てられているのも同然だ。
がん医療の進歩は著しい。5月31日、米国シカゴ開催の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されたがん治療薬ダラクソンラシブの第3相臨床試験の結果は衝撃的だった。この薬は、膵臓がんの約90%に認められるKRAS変異を標的とする。ダラクソンラシブ投与群の生存期間の中央値は13・2カ月で、化学療法単独群の6・7カ月をほぼ倍増させた。かつて「不治の病」とされた膵臓がんが、ついに克服への道を歩み始めたのである。
ダラクソンラシブをはじめとする新しい分子標的薬は、がん細胞に特有の遺伝子変異を狙い撃ちにする。こうした薬剤を適切に使用するには、まず遺伝子変異を特定しなければならない。そのため、がん遺伝子検査は世界中で急速に普及・・・
がん医療の進歩は著しい。5月31日、米国シカゴ開催の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されたがん治療薬ダラクソンラシブの第3相臨床試験の結果は衝撃的だった。この薬は、膵臓がんの約90%に認められるKRAS変異を標的とする。ダラクソンラシブ投与群の生存期間の中央値は13・2カ月で、化学療法単独群の6・7カ月をほぼ倍増させた。かつて「不治の病」とされた膵臓がんが、ついに克服への道を歩み始めたのである。
ダラクソンラシブをはじめとする新しい分子標的薬は、がん細胞に特有の遺伝子変異を狙い撃ちにする。こうした薬剤を適切に使用するには、まず遺伝子変異を特定しなければならない。そのため、がん遺伝子検査は世界中で急速に普及・・・









