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社会・文化

子どもが「希少資源化」する世界

ポール・モーランド(人口学者)

2026年7月号

 ―出生率の低下が新興国などでも顕在化しています。

 人口減少は、国ごとに直面している状況が異なる。日本のようにすでに継続的に人口が減少しているような状況は危機的だ。また、タイやチリのように近い将来の人口減少が避けられない構造的課題に直面している国もある。比較的貧しく農村部も多いインドで合計特殊出生率がすでに2を割り込んだという事実は衝撃的だ。数十年後、圧倒的に識字率が向上して都市化が進んだときのインドの出生率はどこまで落ちるのだろうかと空恐ろしい。

 ―この流れは止められませんか。

 人口減少の原因は複合的だ。たとえばイスラエルでは出生率は高い水準で維持されており、それぞれの国の文化や宗教などにも左右される。一方、ほとんどの国で、時期の違いはあっても少子高齢化が進行しており、避けるのは容易ではない。重要なのは、「国家単位で何が起きているか」という視点を見失わないことだ。ブルンジの人口がいくら潤沢であっても、それが日本以上の少子化にあえぐ韓国の救いになるわけではない。人間は制限なしに移動したり、別の社会に同化したりできな・・・

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