三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月刊総合情報誌

WORLD

中国が目論む日本の「孤立化」

経済実利は奪う狡猾な戦略

2026年10月号

 昨年11月の高市早苗首相の台湾有事を巡る発言で政治の冷え込みが続く日中関係。レアアース(希土類)の対日輸出規制などその影響は経済にも波及するが、中国ビジネスの実相はより複雑だ。
 中国税関当局によると、1~8月の対日貿易総額(ドルベース)は2434億㌦で前年同期比17・9%増となった。うち対日輸出は8・1%増、輸入が27・7%増と大きく伸びた。
 政治の断絶とは対照的な貿易の底堅さは日中経済の深い結びつきを浮き彫りにする。9月に中国商務省が半導体製造に欠かせない日本産の特殊ガスに反ダンピング(不当廉売)措置を課すと発表したが、裏返せば中国の先端産業が今も日本に頼る部分があることの表れと言える。
 中国の地方都市では、人工知能(AI)ブームを背景とする日系企業の大型投資が目につく。パナソニックインダストリーは今年、AIサーバー向けの電子回路多層基板材料の生産を増強するため、広東省広州の工場に約75億円を投じて新ラインを増強し、江蘇省蘇州でも約140億円かけた新工場を稼働させる。
 日立エナジーはAI普及に伴う電力需要の拡大を背景に、安徽省合肥市の・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます