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ICC擁護で欧州諸国の「二枚舌」

英仏独「ご都合主義」の黒歴史

2026年11月号

 ノーベル平和賞が国際刑事裁判所(ICC)の元判事を称え、トランプ米大統領はICCに制裁を科す。この構図だけを見れば、正義と権力の対決に映る。しかし、ICCをめぐる議論には、見落とされがちな死角がある。
 実は、この騒動のはるか以前に、ICCが深刻な批判にさらされた出来事があった。関係していたのは、いまトランプ政権の制裁に強く反対し、ICCを擁護している英国だった。
 話は2003年に勃発したイラク戦争にさかのぼる。占領下のイラクで活動した英国軍をめぐって、拘束者に対する虐待、拷問、不当な殺害、性的暴力などの疑惑が相次いで浮上した。
 これを受けてICC検察局は予備調査に着手したが、疑惑そのものは認めながらも「被害の規模が小さく、介入の基準に達しない」として、06年に一度は手続きを終了させる。当時はまだ、表に出ていた事案が限られていたからだ。
 しかしその後も現地からは、虐待や拷問の新たな証拠が次々に提出され、数百件規模の告発資料も寄せられた。事態を重く見たICC検察局は14年5月、いったん終結していた予備調査を約8年ぶりに再開する。
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