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電力買い取り制度をめぐり 溝深まる東電と関電

2010年2月号公開

 


 再生可能エネルギーの全量買い取り制度をめぐり、電力業界内で足並みの乱れが顕著になっている。発端は昨年十二月八日に開かれた経済産業省のプロジェクトチーム(PT)。この日の会合で電気事業連合会は、買い取り費用回収のための基金創設を提案した。一見すると電力業界にうま味があるように思えるが、この提案にいち早く噛み付いたのは、ガスや石油業界ではなく、身内の東京電力だった。ある東電幹部はこう憤る。「調整もせずに出してしまった。関西電力にやられた」。

 東電側の言い分はこうだ。基金は広くエネルギー企業の参加を前提にしているが、ガス業界などがそんな提案を呑むはずがない。巡り巡って基金にカネを出すのは電力会社だけになり、結果的に電力業界が負担する構図になる――。事実、その後に行われたPT会合では、ガス業界が基金に慎重姿勢を示し、東電側の危惧を裏付けた。

 東電はそもそも税による負担を求めており、基金構想はあくまで優先順位の低いオプションにすぎなかった。逆に関電は基金に傾斜しつつあり、電事連会長会社でもある同社が見切り発車をした。東電には前日まで、説明資料は配られなかったという。電事連会長会社が関電でも、国の目線はあくまで東電に向けられている。今回は、かねてより指摘されてきた二頭政治の弊害がもろに噴出した形だ。


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