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経済

孫と原口が弄ぶ「NTT分割論」

あまりの拙速さに有識者も失望

2010年5月号

 一九九九年以来であるNTT分割論議がことし三月に突如表面化し、燃え広がっている。
 原口一博総務相は昨年暮れに「日本のブロードバンド普及率を一〇〇%にする」という「光の道構想」を発表。「NTTの組織形態も含め検討し、五月中旬までに方向性を得る」と、初めてNTTの組織問題に言及した。
 就任直後の原口氏はNTT擁護の立場をとっていたためNTTは油断した。それが年末に形勢は一気に逆転。大臣がNTT労組からの三百万円の政治献金を国会で追及されると、まるで汚いものでも振り切るようにNTTとの関係を絶った経緯は本誌が報じたとおり。
 その間隙を縫って原口氏に急接近しているのがNTTのライバルである孫正義ソフトバンク社長だ。
 ツイッターで二人の親交は深まった。もともと、佐賀県出身という共通点や幕末フリークであった点も親密度をぐっと加速させた。孫社長は、熱烈な坂本龍馬ファンで、ソフトバンクの社名ロゴマークは、海援隊の旗模様から象ったという。一方の原口氏も大臣室に大久保利通の書を飾り、口癖は「明治五年の改革」。大久保公らが整備した郵便、警察、教育の近代・・・