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中国に「子供扱い」される菅政権

「戦略的互恵関係」など夢物語

2010年7月号

 鳩山由紀夫首相がわずか八カ月余で辞任し、菅直人政権が誕生したことに、中国の対日関係者は驚きを隠さず、「菅政権はいつまで続くのか」と問い返してきたものだ。その裏には、中国政府が鳩山政権は少なくとも二年、場合によっては任期いっぱい持続すると読み、民主党との友好関係促進に力を入れてきたことがあった。
 中国が、菅新政権を歓迎していることは外務省報道官の「心から祝福する」との談話に表れている。談話は、「菅首相が両国関係発展を重視すると何度も強調していることを称賛し、戦略的互恵関係の推進に向けともに努力したい」とエールを送りもした。それは新首相への儀礼ではなく、本音だと対日関係者は笑いながらこう話す。
「端的にいって、菅首相は中国にとって、与しやすい相手だ。鳩山氏のように、米国との関係見直しも言わず、中国の戦略に挑戦するかのような東アジア共同体構想を打ち出すでもない。
 鳩山氏の『友愛』理念は、中国の戦略に挑戦する要素があったが、現実主義者の菅氏は、中国の機嫌を損ねる行動は取らないと中国は確信している」
 日本の政権交代への中国側の戸惑いは、すぐ楽・・・