三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

《罪深きはこの官僚 》西川徹矢(内閣官房副長官補)

安保政策を停滞させる警察権力の操り人形

2010年7月号

 進行する「似非・政治主導」を隠れ蓑に、民主党議員に輪をかけた安全保障音痴ぶりで防衛力整備や米軍普天間飛行場移設問題を停滞させているのが安全保障・危機管理を担当する西川徹矢内閣官房副長官補だ。
 警察官僚としての出世レースから外れ、一九九九年に旧防衛庁入りした西川がその名を知られるようになったのは、二〇〇七年八月。防衛大臣(当時)の小池百合子と事務次官(同)の守屋武昌の間で繰り広げられた後任次官人事をめぐる争いだ。官房長だった西川は小池と二人で自らの次官就任を謀り、守屋から「お前はそれでも役人か。恥を知れ!」と面罵された。
 恥を知っていれば、守屋との痛み分けで退官した西川が復帰することはなかっただろう。しかし昨年八月、麻生政権の末期に、官房副長官の漆間巌が警察官僚の後輩である西川を防衛省の指定ポストである副長官補に送り込んだことが日本の不幸の始まりだった。
 西川は識見や能力を買われてその職に就いたのではない。警察権益拡大を狙う漆間が、形式上、「防衛官僚」である西川を操り人形として送り込んだのだ。取り立てて頭が切れるわけでもなく、機動隊を指揮した時代の自・・・