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東電と昵懇の第一生命が株主批判を意識し「縁切り」に躍起

2011年6月号公開

 


 東京電力株で多額の評価損を計上した第一生命保険が、東電との関係を希薄化しようと躍起だ。電力はインフラ事業で絶対に潰さないという既定路線が見える中、株主から「東電の仲間」と見られることだけは避けたい思惑のようだ。

 第一生命は昨年九月末時点で東電株五千五百万株を保有する筆頭株主だ。二〇一一年三月期決算では東電株だけで一千百四億円の評価損を計上、七人の役員が処分された。社外取締役だった元東電社長の南直哉氏も六月二十七日付で退任、逆に東電の取締役を務めていた森田富治郎会長も退くなど身辺整理に忙しい。

 渡邉光一郎社長は四月の生命保険協会会長会見で「東電の資金需要があれば真摯に検討する」と明言、「震災復興支援や安定的な電力供給回復への貢献という観点からの支援」と強調する。だがある社員は「株主特権をフルに使った保険契約、投融資での金利確保、有利な内部情報の入手など昵懇の仲。世のため人のためを前面に出し株主の批判をかわして援助したい胸の内がある」と指摘する。

 だが、他の大手生保関係者は「金融機関が一定程度融資しても電気料金値上げは免れない。元々は保険料である資金を東電に入れ込んだ生保と白い目で見られるのは必至」と指摘する。


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