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政治

野田はいつ解散に踏み切るか

民主党内は「権力闘争」が再燃

2011年10月号

「野田総理には最低でも三年はやっていただきたい」    こう語るのは意外にも首相野田佳彦と民主党代表の座を争った政策調査会長前原誠司だ。だがこの前原発言を額面通りに受け取る向きは圧倒的に少数派だ。仮に野田自身が「最低でも三年」を目指したとしても、その実現には、二つの高いハードルを越えなければならないからだ。まずはちょうど一年後の九月にめぐってくる民主党代表選。そしてもう一つが残り任期二年を切った衆院選だ。とりわけ衆院選をどのタイミングで行うかは、野田にとって相当な難題である。この二つの選挙は密接に絡み合い、今後の政治の行方を決定付ける座標軸を形成する。野田が判断を誤れば、再び野田も「一年首相」の汚名を歴史に残すことになる。

説得力を持つ「六月解散説」

 野田は民主党では数少ない「カレンダー政治」を理解できる政治家と言っていいだろう。政治目標を定め、そこから逆算をして手を打つ。かつての竹下登に代表される自民党の旧田中・竹下派が最も得意とした政治手法だ。    野田はこの代表選に当たっても用意周到に布石を打ってきた。野田側近によると、前首相菅直人が退陣・・・