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政治

「日本版NSC」 設置構想が再燃

また掛け声だけで終わりそうだが

2012年2月号

 安倍内閣が閣議決定し、法案提出まで進みながら、福田内閣の手でお蔵入りとなった日本版NSC(国家安全保障会議)設置構想が息を吹き返しつつある。外務省系のシンクタンク中東調査会で上席研究員を務めた大野元裕・民主党参院議員が座長の同党チームによる検討作業が煮詰まり、近く野田内閣にNSCに関する報告書が提出される運びとなったのだ。  外交と安全保障に関する機動的かつ戦略的な政策立案を行う米国のNSCのような組織は、中国、北朝鮮、ロシアという安全保障上の懸念がある国々に囲まれた日本にこそ必要だが、タカ派の安倍晋三が主導した法案をハト派の福田康夫が握り潰した構図は「自民党清和政策研究会(町村派)出身の政治家同士の主導権争い」程度の話に矮小化され、その後は相次ぐ総理大臣の交代もあって忘れ去られていた。その意味で、機運の復活は歓迎すべきことだろう。  問題は、官僚、そして民主党の政治家の情報に対する感度の鈍さと意識の低さである。それは、三・一一の東京電力福島第一原発事故に対する菅政権の対応で露呈されながら、野田政権になってからも一向に改善されていない。

外務、防衛両省の確執

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