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政治

掛け声倒れの民主党「成長戦略」

「医療」は与党も日医もやる気なし

2012年8月号

 十月九日から十四日まで、東京都内で国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会が開かれる。日本での開催は、東京五輪のあった一九六四年以来のことだ。  ユーロ危機など国際金融、経済への対応が焦点になるのは当然として、この時期に日本で総会が開かれる意義とは、国際社会の不安定要因となってきた日本経済が「失われた二十年」から立ち直るための新たな成長戦略の具体策を発信し、日本が再び世界経済の牽引車となる決意を示すことにある。ところが政権与党の政治家たちは、間近に迫る衆院解散・総選挙に浮足立って、四十八年ぶりの大舞台に向けた準備に力が入らない。

次期衆院選で頭がいっぱい

 例えば、総会で毎年、「プログラム・オブ・セミナーズ」と称して行われる正式な関連イベントにおける日本政府の存在感の薄さは、その証左だろう。目先の問題ではなく、中長期的な課題や展望について新たな視点を提供するセミナーは、メーン・イベントの総会以上に注目されることもある。今回も、総会に先立つ十月十~十三日に、十前後のセッションが予定されている。中でも、日本の新たな成長戦略との関係では、「国際・・・