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北朝鮮とキューバ「武器密輸」の深層

「窮乏社会主義国」の実態顕わ

2013年8月号

 パナマ運河北端のコロン市沖のカリブ海で七月十日、運河通航の順番を待っていた北朝鮮の貨物船「チョン・チョン・ガン号(一万四千トン)」がパナマ当局の臨検を受けた。近くのマンサニージョ港で十三日に積荷検査を受けたところ、申告されていたキューバ産粗糖二万二千袋(計一万トン、時価三百二十万ドル相当)の積み荷の下から七つの大型コンテナを発見。中からはミグ21戦闘機二機や地対空ミサイルシステム用迎撃レーダー(SNR75「ファンソング」)など、旧式だが大量の兵器が出てきた。ハバナで積み込まれたキューバ革命軍の旧ソ連製兵器だ。

 事件は、六月から米・キューバ間で続けられている郵便サービス復活や移民問題など、関係改善協議に影響を及ぼさざるを得ない。また兵器類が北朝鮮による「兵器密輸入」に該当するとすれば、北朝鮮の兵器禁輸を定めた国連安保理決議違反ともなる。敵対する二つの社会主義国家に対し、米国は思いがけない外交カードを手にすることになった。この事件はオバマ政権にとって、ポンコツの兵器を取り押さえただけにとどまらない重要性を持つ。


パナマ政府との「出来レース」・・・