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社会・文化

「経済損失」まき散らす気象庁

「天気誤報」の反省なし

2013年8月号

「気象情報を活用して気候の影響を軽減してみませんか?」  今年五月一日から、気象庁はホームページ上でこう題した専用ページを開設した。過去の観測統計や、一カ月予報などを活用し、「気候リスク」に対応する方法について「具体例を用いて分かりやすく紹介しています」と謳う。 「ブラックジョークのつもりか。気候リスクは我々の生活に常にあるが、『気象庁リスク』のほうがよほど根深い問題だ」  全国紙科学部OBの一人はこう語る。気象庁は当たらぬ天気予報で社会を混乱させるばかりか、みずからが経済損失を生み出していることを自覚していない。にもかかわらず「天気誤報」を垂れ流し続けている。 「狼少年は許さない。気象庁の自己保身のためにどれだけの組織・人が迷惑を与えられたか」  二月六日、猪瀬直樹東京都知事はツイッター上で批判を繰り広げた。気象庁は、前日の二月五日から六日の昼にかけて雪が降り都内で最大十センチの積雪になるとの予報を出していた。しかし結果的に一部地域で降雪があったものの、結局都心で雪は積もらなかった。 危険を煽って街をカラに  遡った一月十四・・・