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連載

西風 388

維新を追い詰めるしたたかな公明

2013年9月号

 案の定というべきか、九月二十九日に投票日を迎える堺市長選挙で日本維新の会は大苦戦を強いられている。本誌五月号の本欄で指摘した通り、維新代表の橋下徹大阪市長が固執する「都構想」について支持が広がらず、これまで橋下市長を無分別に支持してきた大阪府民の矛盾が露呈している。

 こうしたなかでしたたかに遊泳しているのが公明党だ。在阪全国紙記者はこう語る。

「公明党について『煮ても焼いても食えぬ』との声が、維新だけでなく自民党からも出ている」

 これまで、大阪に限って自民党と一定の距離を置き、橋下維新と連携を重ねてきた公明党は堺市長選について態度をまったく示さない。昨年末の衆議院選挙や、今夏の参議院選挙で協力関係をとってきた維新の会は、七月から公明党に対して維新候補への推薦を要求してきた。八月二十二日には維新の会幹事長である松井一郎大阪府知事が、堺市を選挙区とする公明党の北側一雄副代表に直接会談を申し込むなど、焦りの色は日に日に濃くなってきた。

 現職の竹山修身市長は、早々に橋下氏との対立を鮮明にして都構想を・・・