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経済

税金徴収に食らい付く「悪徳金融」

規制緩和に乗じた新たな「利権」

2013年12月号

 過払い利息金問題を機に、消費者金融や商工ローンといったノンバンクビジネスへの規制が強化される中、あこぎな金融業を生業としてきた「悪徳金融」筋がいま、続々と参入を果たしているのが、債権回収会社(サービサー)業界である。優れた「回収ノウハウ」を有する海千山千だけに、強引な手法で荒稼ぎする業者も多く、効力を失った「時効債権」に対し、消費者の無知に付け込んで強引に回収する所業などは一部で社会問題化している事例もある。  群馬県に住む男性Aさん(六十六歳)は、厳しい取り立てで行政処分を受けたこともある消費者金融系列のサービサーから督促を受けた。会社を経営していたとき、地元の金融機関から借りたものがサービサーに譲渡されたのだ。会社は破産しても連帯保証は残る。だが、Aさんに支払い余力はなく、借金も時効になっていたので、時効援用を内容証明郵便で通知した。するとサービサーは、通知を無視して裁判を起こした。  時効を迎えた債権を銀行や貸金業者からタダ同然で仕入れ、素知らぬ顔で督促。一円でも入金させれば時効は消えるから、しめたもの。「簡易裁判所を使うのは月一千件くらいかな。訴えてもお客さん・・・