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経済

忍び寄るLNG「史上最高値」の恐怖

電気料金値上がりは「青天井」

2014年2月号

 米国の五倍、韓国の三倍にも達する割高な電気料金の元凶と批判される日本の液化天然ガス(LNG)の高値掴みが続いている。二〇一四年の冬は、北半球に大寒波が来襲していることから、欧米先進国においても暖房用の天然ガス需要が急増している。シェールガスの生産が増加しているにもかかわらず、米国の天然ガス価格は一四年一月時点で、瞬間的に百万Btu(ブリティッシュ熱量単位)当たり四ドルを超えている。実に二年ぶりだ。  だが、それにもまして顕著なのは、日本をはじめとしたアジア大洋州地域におけるLNGの随時契約(スポット)の価格上昇が天井知らずの状況だ。日本が調達するLNGのスポット価格は一四年一月には百万Btu当たり十九ドルを超え、二月には史上初の同二十ドル(石油換算一バレル百二十ドル)を超えることはもはや確実な情勢だ。 井戸元を押さえ始めた韓国、中国  このスポット価格暴騰の背景には、原子力発電所の停止があるのは言うまでもない。日本における五十四基すべての原発の稼働停止が一三年九月から続いていることで、東日本大震災前の年間七千万トンから、追加的に年間二千万ト・・・