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どん底へ落ちるブラジル経済

メッキ剥がれた「偽り」の成長モデル

2014年4月号

「ブラジルがこれまでできなかった多くのことを、我々はできるはずだ!」。昨年六月、大規模デモの収束に向けてジルマ・ルセフ大統領は演説でこう述べ、「教育や医療サービスの改善」に国を挙げて取り組むと国民の前で約束した。  だが、経済の成長モデルを失った同国にとって、これは持続可能な話ではない。これまでブラジル型の国家資本主義による経済成長は中国のそれと対比されてきた。BRICS各国においてブラジルだけがジニ係数を下げることに成功し、「貧富の差を縮小しながら経済成長を実現した」というサクセスストーリーは、新興国の社会主義者たちを勇気づけてきた。  しかし、中国との貿易によって得られた富を、無計画に貧困層に与えてきたうえ、教育改革、社会資本整備、産業育成といった国際競争力を高めるための投資をおろそかにし、「構造改革」と称して上辺だけのコスト低減に走り、外資を「悪」としてきた。今、そのツケを払う時が来ている。 「ブラジルコストとの戦い」 「ルセフは大統領選で再選されるだろう。今年十月の選挙がもし今日ならば」。二月二十二日、現地有力紙フォリャ・ジ・サンパウロはこ・・・