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連載

西風 400

大阪府警の「深い闇」

2014年9月号

「不祥事のデパート」(全国紙在阪記者)が本領を発揮した。

 大阪府警が過去五年間にわたって街頭犯罪の認知件数を過少に申告していたことが明るみに出たのだ。管内六十五署で横断的に行われており「組織ぐるみ」であることは明白だが、府警側はいまだにそれを認めない。

「相次いだ虚偽調書の作成や誤認逮捕、証拠の捏造といった個人の警察官による『不祥事』も、大阪府警だからこそ起きた」

 府警OBの一人はこう語る。最大の理由は「隠蔽体質」だという。警察組織の隠蔽体質は四十七都道府県警察本部のどこにでもある。

 このOBは「大阪府警は鉄骨のような筋金が入っており、ほかとははるかにレベルが違う」と漏らしこう続けた。

「何かあれば隠蔽する体質は、組織の中に闇を作る。すると個々の警官も陰に隠れ、不正に手を染めてでも手柄を上げようとする」

 今年一月に警察庁がまとめた二〇一三年一年間の全国の警察本部の懲戒処分件数によると、大阪府警は三十七人だった。警視庁の四十六人に次ぐ全国ワースト2だ・・・