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WORLD

「根絶不能」のイスラム国

世界中に溢れだす「聖戦テロ」

2014年10月号特別リポート

「イスラム国」が支配している面積は米国の北東域ニューイングランドと同じ程度だと考えていい。米国のメーン、ニューハンプシャー、バーモント、マサチューセッツ、ロードアイランド、コネティカットの六州の広さだ。テロリストの集団であるにもかかわらず、三万人強(九月末現在)の戦闘員を持ち、支配地域で行政を行い、人質と引き換えに身代金を巻き上げ、石油の販売も進めている。欧米諸国からの参加者はいずれ帰国し、テロ組織の一員としてテロのスリーパー(潜在者)になる。驚くべきは、アルカーイダ系武装組織「ホラサン」(Khorasan)が米欧諸国を直接攻撃の対象として着々と準備を整えている事実もこのほど米当局者によって明らかにされた。

 二〇〇一年九月十一日の米国に対するテロ行為はテロ実行者のアルカーイダ対主権国家の対立と当初は解釈されたが、指導者のビンラーディン殺害以後米国のかつての熱狂は冷め、アルカーイダ攻撃の陣頭に立ったブッシュ前大統領は無謀な戦いを強行した愚かな政治家だったとの評価が定着したかの感がある。

 が、果たしてそうだったのか。オバマ大統領はイラクでの空・・・