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社会・文化

「泡の芸術」シャンパーニュの魅力

世界で愛飲される「最強ブランド」の秘密

2014年11月号

 日本のシャンパーニュ消費が伸びている。二〇一三年の輸入量は九百七十万本。前年比六・七五%増で、一千万本が目の前。英国、米国、ドイツに次ぐ四番目の輸出市場となった。景気を映すシャンパーニュは、世界全体の出荷量は約三億四百万本で横ばい。年間に四本しかワインを飲まない日本人が、五十本以上飲むイタリア人より、大量のシャンパーニュを飲んでいるのは異常とも言える。  日本の輸入量は〇七年に九百十七万本と過去最高を記録したが、翌年のリーマンショックに伴う経済不振で落ち込んだ。前回のブームは夜の市場に依存していたが、今回は地に足がついている。牽引役の一つが東京の外資系ホテル。グランドハイアット東京の関係者は「震災の余波が落ち着いて、外国のビジネス客が戻ってきた。稼働率は九割前後。宴会や食事をシャンパーニュで始めるのが普通になった」と明かす。シャンパーニュ委員会日本事務局は「日本市場を支えるのは女性。女子会需要や愛好家のおうち飲みが増えている」と見ている。 力の源泉は品質  シャンパーニュは世界のスパークリングワインの一割を占める。販売量は、安価なイタリアのプロセッコの・・・