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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》地方テレビ局「淘汰・再編」(上)

総務省と政治が画策する「統廃合」

2015年11月号

 地上波放送のデジタル化設備投資やリーマンショックの影響で地方テレビ局の赤字経営が四~五年続いた時代があったが、ここ数年はやや持ち直したとされていた。しかし最近、再び地方局の経営危機が囁かれている。

 フジテレビ系列九社、テレビ朝日系列六社、TBS系列四社、日本テレビ系列とテレビ東京系列ゼロ。これは二〇一四年度決算で、減収減益となった地方局の系列別の数だ。視聴率不振の影響を受けフジ系列は、最多である。フジ系準キー局の大阪・関西テレビは経常利益が前年比八五・四%。名古屋の東海テレビも同八四・一%と厳しい決算となった。大都市はまだ持ちこたえたほうで、山形のさくらんぼテレビとテレビ新広島の両局は、経常利益が前年比約五七%と急落した。

 TBS系列でも、宮城の東北放送が経常利益前年比八六・一%、熊本放送が同七二・三%など、苦しい経営が続く局を抱えている。


「配分電波料」という延命システム


 東北地方を担当する総務省関係者によれば、秋田放送で、耐用年数が迫った社屋を新しく・・・