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社会・文化

「偽造ワイン汚染」日本で拡大中

「カモ」にされる無邪気な愛飲家

2016年10月号

 高級ワインを売るネット通販市場に、偽造ワイン汚染が広がっている。ワインを解さぬ人でも、その名だけは知っている世界最高峰、ロマネ・コンティ。広島県のショップのサイトには、多くの疑わしいボトルが販売されている。はるばるフランスはブルゴーニュまで飛んで、それらの真正性を、醸造元のドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)の共同経営者に直に確認したところ、「偽物ではないか」との返事だった。これはだが、氷山の一角にすぎない。
 ロマネ・コンティは世界で最も高価で、最も偽造品の多いブルゴーニュ産の赤ワイン。平均年産量はわずか六千本。弟分のラ・ターシュでも一万五千本だ。プレミアムがつき、前者は市場価格が百万円を下ることはない。
 日本での正規代理店であるファインズは、伝統ある高級レストランやホテルにしか、DRCのワインを卸さない。ネットで通販する店には売らない。ネット上で流通しているのは、出所不明な並行輸入品だ。
 その中でも、疑わしいボトルを大量販売するのが勝田商店(広島県尾道市)だ。「ロマネ・コンティ専門店」を名乗る「Wine Cellar KATSUDA」を、・・・