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経済

中国金融界を食い荒らす「アリババ」

「電子決済」の猛威はやがて日本にも

2017年6月号

 中国の金融界で地滑り的な異変が起きている。振り込み、引き落とし、送金など確実に手数料の稼げる個人向け決済サービスで銀行のシェアが急低下している。銀行に代わって主役となったのは世界最大のネット通販事業者であるアリババの電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」だ。コンビニからレストラン、デパート、タクシーまでスマートフォンで瞬間的に支払えるため、もはや銀行は不要との認識が庶民の間に広がっている。不良債権が累積する中国の大手銀行にとって、一層の収益源の縮小となり、存続が危ぶまれる。
 上海の浦東国際空港。中国を代表する巨大空港だが、最近、ターミナルビル内をさまよう欧米人が目立っている。クレジットカードを使ったキャッシングができるATMが見当たらなくなったのだ。かつては荷物を受け取って出た途端にたくさんのATMが目に飛び込んできたが、今は上層階に移動してようやく一、二台発見するという状況だ。
 北京や上海の繁華街でも閉鎖された店舗をみると銀行支店というケースが少なくない。銀行が大規模なコスト削減を迫られているのは歴然としている。
 実際、昨年、中国建設銀行は三万人・・・