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社会・文化

元号はどうやって決まるのか

歴史的「政治イベント」の秘中の秘

2018年1月号

 二〇一九年の天皇陛下譲位に向けて、皇室は今年大がかりな体制再編の準備が進む。譲位後、天皇・皇后両陛下は上皇・上皇后陛下、皇太子ご夫妻は天皇・皇后陛下、秋篠宮さまは皇嗣殿下に、それぞれ立場が移り、お住まいもお務めも職員も入れ替わる。眞子さまは十一月に結婚、愛子さまも英国オックスフォード大学への留学を希望される。本来なら宮内庁の拡充・強化が必須だが、安倍政権にその気はない。一昨年夏の生前退位表明が官邸のメンツを潰すNHKのスクープで幕を開けて以来、退位特例法の制定、退位日程を巡る一八年末か同年度末かの綱引きまで「官邸VS宮内庁」のバトルを繰り広げてきたからだ。退位を一代限りの特例とし、即位の日程を根拠薄弱な五月にずれ込ませたのは、皇室運営にも「官邸主導」を貫徹するという意思表示に他ならない。
 退位日程を協議した昨年十二月の皇室会議では「政高宮低」が露骨だった。事務局の宮内庁長官を差し置いて、壁際に控えるべき陪席者にすぎない菅義偉官房長官が、皇族や三権の長など正規議員と同じ円陣に堂々と椅子と机を並べて列席し、宮内庁長官の役目を代行。議長の安倍晋三首相は全議員に一通り意見を言わせ・・・