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政治

万年「女性首相候補」野田聖子の実像

政策も政治力も「待望論」もなし

2018年3月号

 女の敵は男か女か―。初当選以来、永田町という典型的な男社会で揉まれてきた総務大臣の野田聖子は、今秋の自民党総裁選への出馬に向けた意欲を隠さない。
 野田の味方は一体どれほどいるのか。果たして総裁候補として支持を集められるのか。初めて赤絨毯を踏んでから四半世紀を迎える「女性代議士のトップランナー」への客観的な評価はそれほど高くないことが露わになりつつある。
 稲田朋美や小池百合子、高市早苗、小渕優子など自民党、元自民党の女性議員の名前はいくらでも思い浮かぶ。しかし野田が初当選した一九九三年まで自民党には十年以上、女性衆議院議員が不在だった。この年、野田と田中眞紀子が当選し開拓者となった。
 角栄の娘で扱いづらい眞紀子とは異なり、野田はベテラン議員から目をかけられた。特にハト派の野中広務や古賀誠といった、当時既に実力者として頭角を現していた議員にかわいがられた。その結果、五年後のわずか三十七歳の時に、小渕内閣で郵政大臣に抜擢されたのである。

「女性活躍社会」の一本足打法

 それから・・・