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社会・文化

遺伝子組み換え食品「大量消費」が加速

諸悪の根源は「消費者庁」

2018年4月号

 日本が遺伝子組み換え(GM)食品の大消費国だと言うと、多くの人が驚くだろう。家畜の餌としてのトウモロコシ(デント・コーン)だけではない。食品の形で日常的に直接食べているのだと知ればもっと驚くかもしれない。
 確かに日本ではGM作物の商業栽培を、一切認めていない。スーパーの店頭を見回しても「遺伝子組み換え」と表示された食品は見掛けない。しかし実際は、米国やカナダなどから大量のトウモロコシや大豆、菜種を輸入しており、それらの九割超はGM作物と推定されている。この現実と認識のギャップは、日本のGM表示制度に大きな欠陥があるからだ。
 その代表例とされてきたのが、納豆や豆腐の表示だ。原料に輸入品を使った普及品には「丸大豆(アメリカまたはカナダ、遺伝子組み換えでない)」などと書かれている。しかし重量比で五%までのGMの「意図せざる混入」が認められており、この混入率は、欧州連合(EU)の〇・九%、オーストラリア一%、韓国三%などと比べても高い。
 そこで内閣府の消費者庁は、「有識者検討会」を設置して約一年間議論し、「遺伝子組み換えでない」と表示できるのは、GM作物が・・・