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政治

復権する甘利氏が財界に「おねだり」

経団連主要企業が著書をまとめ買い

2018年10月号公開

 2016年に発覚した都市再生機構(UR)に関する口利き疑惑で失脚した甘利明・元経済再生担当相。9月の自民党総裁選で安倍晋三首相の選挙対策本部で事務総長を務めたが、この論功行賞により党要職に起用する案が浮上しているという。その甘利氏が経団連に対してある要請をしている。
 9月26日、経団連の正・副会長と、審議員会の正・副議長社の担当者宛に経団連の事務局から「ご協力のお願い」という一通のメールが送付された。内容は、9月20日に発売された甘利氏の著書「INNOVATION ECOSYSTEM ニッポンは甦る!」を各社で「まとめ買い」するように要請するものだが、文面はかなり露骨。「発売を踏まえ、今般、甘利先生サイドより購入の具体的方法等につきまして連絡がございました」とする文書には、経団連事務総長、久保田政一氏名義で、購入期間、購入店舗などについて細かい指示が記されている。日本橋の書店「丸善」で、各社10~20冊を、10月中に購入するように要請している。対象となる正・副会長、正・副議長社は全体で約四十社。日本橋の丸善の売れ筋は、主に地方新聞の書評欄で「ベストセラー・ランキング」が掲載される書店として知られる。「甘利先生サイド」の狙いは、ここにあるのだろう。
 こんな「おねだり」を財界にする甘利氏サイドの厚顔無恥にも恐れ入るが、これを唯々諾々と受け入れる経団連も、余りに情けない。榊原定征・前会長(東レ)の時代には「安倍政権の忠犬」と化した経団連だが、中西宏明氏(日立製作所)が会長になっても、安倍政権とお友だち議員にひざまずく無様な姿勢に変わりはないようだ。


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