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経済

ファーウェイ「排除同盟」は成功しない

「トランプ追従」中国叩きの盲点

2019年3月号

 中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)に対する米トランプ政権のバッシングは日本や欧州各国、豪州などを巻き込んだ「排除同盟」に進んだ。5G通信、半導体、スマートフォン、サーバー、基地局設備など幅広い製品で「ファーウェイを使わず、“同盟国”の製品を使おう」という呼びかけだが、政府部門は別として民間企業の選択に政治が介入することへの反発も強い。そもそも、ファーウェイ排除の根拠となる情報抜き取りのスパイチップやソフトの証拠は、何も提示されていないままだ。世界は「政府と民間」「市場経済と統制経済」がねじれながら、対立する構造に陥りつつある。

経済論理では受け入れがたい

「中国の機器を使えば、情報共有や業務の多くで(米国は)慎重にならざるを得ない」。欧州連合(EU)駐在のゴードン・ソンドランド米国大使が欧州諸国の企業に脅迫まがいの警告を発した。名指しではないが、ファーウェイが対象であることは誰の目にも明らかだ。同大使は「欧州諸国はフィンランドのメーカーを使えばいい」とまで“指・・・