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社会・文化

「復興予算」で続く盛大な血税浪費

被災地度外視「流用・便乗」やり放題

2019年8月号

「東北の復興なくして、日本の再生なし。閣僚全員が復興大臣である」。東日本大震災から丸八年になるのを前に、今年三月開かれた政府の復興推進会議・原子力災害対策本部会議合同会合。中央に陣取った安倍晋三総理は「現場主義が安倍内閣の原点だ」「一日も早い被災地の復興に向けて全力を尽くす」と、第二次内閣発足後に使い回してきたお決まりのフレーズをそらんじた。美辞麗句の裏側で横行してきた血税流用の歴史をまるで忘却したかのような、この国のトップ。そしてその足元では今も、被災地の復興には無縁の、空騒ぎが演じられている。

大増税で捻出した財源を無駄遣い

 未曾有の災害が起こったのは二〇一一年三月十一日。死者は一万六千人近くに上り、いまも行方が分からない被災者が二千五百人を超える。東京電力福島第一原発事故ともあいまって、東京・霞が関は大混乱をきたす。当時、関係省庁を取材していた大手紙の政治部記者は「それでもなんとか仕事が回ったのは、初動時や復興庁創設後、各省庁からエース級職員たちが集められていたからだ。前例がなくゼロベースで制度を作り・・・